「結婚しても、ママになっても、キャリアを追求し続けたい」…。そんな女性スタッフをバックアップするため、様々な制度を整えている西武川越病院。育児と仕事を両立し、イキイキと働き続ける3人のママさんスタッフに、お話を聞いてみました。
菊池 静香 (写真中) PT 主任 2006年4月入職
4歳&1歳の女の子のママ。妻として会社員として多忙なご主人を支えつつ、職場では主任のポジションを任されている。
佐々木 未鳥 (写真左) OT 2007年4月入職
6歳&3歳の男の子のママ。ご主人とは職場結婚。この3人の中では一番早く結婚し、産休&育休⇒復職を果たした。
岡 有香(写真右) PT 2007年4月入職
お子さんは5歳のお姉ちゃんと3歳の弟くん。ご主人とは職場結婚。『3学会合同呼吸療法認定士』の認定資格を持つ。
ママになって、新しいライフステージへ。
――この数年間で、3人ともママになりましたね。ちょうど同じくらいのタイミングで育休・産休に入って、復職されて。
佐々木:そうですね、この3人が職場に揃うのは久し振りという感じです。最初に私が産休に入って、半年後に岡さんが産休に入って…。
岡:私と佐々木さんは、上の子が同学年なんですよね。で、私たちが復職するタイミングで、今度は菊池さんが産休に入られて。
菊池:それで、私が上の子を産んで復職したら、今度は佐々木さんと岡さんが2度目の産休に入って。2人が再度復職する頃には、私が2度目の産休に入るという…(笑)。私の場合は、2人が一足先に妊娠・出産を経験しているので頼もしかったけど、佐々木さんはいろいろ情報収集してたよね。やっぱり不安だった?
佐々木:リハビリテーション科で産休・育休を取る人は少し久し振りでしたからね。でも、ベテランの先輩や病棟の看護師さんにいろいろ話を聞くことができて、相談にも乗っていただけたので助かりました。
菊池:そういえば私も復職後のスケジュールというか、「子育てと仕事を両立するために、みんなどんなふうに時間をやりくりしているんだろう?」というのが気になって、いろんな人に相談させてもらったな。たくさんアドバイスをもらえてありがたかった。
岡:うちの病院は女性が長く働き続けられるサポート体制が整っているから、産休・育休を経て長く勤めている先輩たちがたくさんいる。リハ科のみんなはもちろん、病棟のスタッフさん、人事の方々まで、みなさんにあたたかくフォローしてもらえて本当に感謝しています!
お世話になった、院内保育室。
――当院のサポート体制がお役に立てたなら嬉しいです。みなさん、院内保育室も活用してくださったんですよね。
佐々木:はい! 院内に保育室があると送りも迎えも便利だし、助かりました。事前の見学や相談もできて、安心して復職できました。地味なようですが『慣らし保育』なしで初日から終日体制で預かっていただけるというのもポイントでしたね。
岡:一般の保育園だと、最初は1時間からスタートしてだんだん慣れていきましょうね、というところが多いしね。事前に保育室を見学して、保育士さんたちに質問や相談もすることができたので、安心して復職できました。
菊池:歩行や車椅子移動などのリハビリで試用するリハビリ庭園は、子どもたちのお散歩コースでもあるので、仕事中に顔を合わせることもあるんだよね。
佐々木:お庭で遊んでいる声がすると、ちょっと覗いちゃったりする。でも、初めて仕事中の私と会った時、うちの子はママだと気づかなかったんですよ(笑)。
菊池:白衣のママ、初めて見たんだもんね(笑)。
岡:うちは上のおねえちゃんは早めに気づいてくれたんですよ。患者さまと一緒の時に、お庭で会うと「あっ、ママ!」って声をかけてくれて。子ども好きな患者さまが多いから、「私の娘なんですよ」と紹介するとニコニコ嬉しそうに笑ってくださるんですよね。
佐々木:ハロウィンの時には「トリックオアトリート!」なんて声が聞こえてきたりね。スタッフの方々からお菓子をいただいて、子どもたちも喜んでいました。
菊池:今ではうちの子たちは外部の保育園に通っていますが、土曜出勤の日は一緒に通勤して、院内保育室で預かってもらっています。いつもお世話になっています!
周囲のサポートのおかげで、今がある。
――当院は他にもいろいろな制度を整えています。ご活用いただけていますか?
佐々木:子どもの急な発熱などの時に取れる年10回の『看護休暇』(対象の子供一人で5日 複数いる場合最大10日)とか、すごく助かっていますよ。科内では業務量にも無理のないよう、配慮していただいています。
菊池:実は私は、結婚する時に転職を考えたこともあったんです。主人が千葉に住んでいたので、やむを得ず。でも、福利厚生はもちろん、お休みも給与も、西武川越病院以上のところは見つからなかったんですよね。そこで、夫婦で相談して、主人のほうが埼玉に転居することになりました。
佐々木:日勤のみで、土日に休める病院って少ないですもんね。そういえば時短勤務もありがたい制度のひとつ。岡さんは、この春(R3年現在)から正職員⇒パート職員に雇用形態を変更したよね。
岡:うん。今年は上の子が年長さん、下の子が年少さんで、1年だけ同じ幼稚園に通うことになって。せっかくだから子どもたちのそばで役員活動にも力を入れたくて、でもフルタイムだと難しいから、今だけはパート勤務に切り替えることにしました。
佐々木:でも、1年くらい悩んでたよね。
岡:悩んだ悩んだ(笑)。どうするのが正解なのか分からなくて、リハ科のみんなはもちろん、人事の方々にも相談に乗っていただきました。でも、リハとしてもママとしても大ベテランのWさんが、「自分が今、やりたいと思ったことが正解だよ」と背中を押してくれて。その一言は大きかったですね。
菊池:すごい、Wさん。
佐々木:カッコいい…。
菊池:そうして応援してくれる人や理解してくれる人が周囲にたくさんいるのは、つくづく心強いよね。
子どもたちの存在が、パワーの源。
――忙しい日々の中で、みなさんのモチベーションリソースは?
菊池:やっぱり子どもの存在ですよね。うちの子は最近、保育園に行く前に「ママお仕事いくんだよね。ママががんばってるから私もがんばる!」なんて言ってくれるようになったんですよ。ヨシがんばるぞ!と思っています。
岡:うちは、たまにお手紙をくれるようになりました。「ママお仕事がんばってるね!」って(笑)。もう宝物です。
佐々木:かわいいー…。うちは最近「ありがとう」って言ってくれることが多くなってきたかな。「ママ、お弁当つくってくれてありがとう」とか。昨日は「ゲームやらせてくれてありがとう」って言われて、オイ。となりましたが(笑)。
菊池:仕事と育児の両立は確かに大変だけど、メリハリがついて逆にいいよね。家にいるときは子どもが中心、でも仕事中は自分が主体というか…。スイッチが切り替わることが、オンとオフの充実につながっていると思います。私は復職して1年目なので、まだ生活のリズムを掴むことでいっぱいいっぱいの状態なんだけど、2人は何か目標とか課題とか、新しい何かが見えてきているんじゃない?
岡:確かに、復職直後は、新しい知識や技術を学ぶための時間をどう捻出するかかなり試行錯誤しました。でも、今はだいぶペースも掴めてきたので、オンライン研修などを活用して、今持っている『学会合同呼吸療法認定士』の認定資格だけは保有し続けていけるように(※5年ごとに更新があり、学会・講習会への参加や論文発表などを継続していく必要がある)がんばりたいなと思っています。
佐々木:私も子どもを産んでから、この先、自分のキャリアをどうつくっていったらいいのか悩んだこともありましたが、最近ようやくやりたいことが見えてきました。院内はもちろん地域での活動にも力を入れたくて、ご高齢の方だけではなく幅広い年齢層の患者さまに対するリハビリについて知識を吸収しているところです。
菊池:私たち全員そうだと思うけど、そもそも自分の中で『仕事をしていない自分』というのは想像つかないしね。これからも一緒にがんばっていきましょう!
(聞き手/人事部・大石)