新納 栄美子 看護部長
看護師として脳外科、精神科、訪問看護、訪問診療、回復期リハビリテーション、保健指導に至る幅広い知見と経験を持つ。2016年、西武川越病院に入職。部長として5つの病棟を統括。西武川越病院が考える“より良い看護と介護”を実現すべく、スタッフと志を一つにして医療サービスの質向上や組織体制の整備に取り組む。
「ここに来て良かった」と思っていただける病院。
川越エリアでもトップクラスの規模となる、268床を有する西武川越病院。看護部がめざすのは「私たちは、医療サービスにハートをそえて患者さまをサポートいたします」という病院理念のもと、患者様やご家族の方々に安心と信頼の看護・介護をご提供していくことです。療養型病院である当院にいらっしゃる患者様は、急性期や回復期を乗り越えたけれど、ご自宅に戻ったり施設に行ったりという選択ができない方、全介助を必要とされている方が多く、当院で最期を迎えられる方も少なくありません。だからこそ、私が実現したいのはただひとつ、患者様に「ここに来て良かった」と思っていただくこと。認知症を患っていらっしゃったり、人工呼吸器を装着されてお話ができなかったりといった状態のかたにも、私たちの看護・介護を通じて『快』という感覚をご提供したい…。その一心で、患者様お一人おひとりと向き合っています。
自分が患者様の立場だったら、どうしてほしいか。
スタッフたちに求めたいのは「自分が患者様だったら、どうしてほしいか」「自分の家族や大切な人たちが入院したら、どんな看護や介護をしてあげたいか」と、常に患者様の立場で物事を考える姿勢です。そうして自分に置き換えて考えると、私の場合は『笑顔を向けてほしい』という答に行き着きます。だから、新入職員には必ずこう伝えています。「入職したばかりでまだ何もできないと思うけれど、ひとつだけ、今日からできることがあります。患者様に笑顔で挨拶してください」と。決して難しいことではありません。たとえお話ができず、意識も漠としている患者様であっても、「そばにいますよ」「見ていますよ」というあたたかな思いで接してほしいのです。スタッフ一人ひとりがそういう気持ちで患者様と接することが『ハートをそえた看護・介護』へとつながっていくと、私は確信しています。